ウェブパフォーマンスのダッシュボードとレポート
オンラインストアのパフォーマンスを最適化すると、お客様は買い物がしやすくなるとともに、ストアが見つけやすくなり、コンバージョン率を高めることができます。ウェブパフォーマンスのダッシュボードを活用すると、ストアのパフォーマンスを、Core Web Vitalsと呼ばれる、読み込み速度、インタラクティブ性、および視覚的安定性に関する業界基準と照らして理解することができます。
オンラインストアのパフォーマンスは、以下に挙げる分野のような、いくつかの要因の影響を受ける可能性があります。
- アプリ管理
- 外部のライブラリとサービス
- 分析ライブラリ
- テーマコード
- 画像やビデオの数量とサイズ
オンラインストアを戦略的に調整することで、パフォーマンス指標とランク付けを改善できます。
オンラインストアのパフォーマンスの重要性について、詳しくはこちらをご確認ください。
ストアのウェブパフォーマンスのダッシュボードを表示する
ストアのウェブパフォーマンスのダッシュボードを表示するには、「レポート」のスタッフの権限が必要です。ダッシュボードに実際のユーザー指標 (RUM) を表示するには、オンラインストアのパスワード保護を削除する必要があります。
このレポートには、Core Web Vitals (読み込み速度、インタラクティブ性、および視覚的安定性) 全般におけるストアフロントのパフォーマンスが表示されます。レポートでは、デスクトップとモバイルでのユーザーエクスペリエンスに関する情報、特定のパフォーマンスのランク付けにおけるユーザーエクスペリエンスの分布や、アプリのインストール、テーマの更新、新しいコードなどに関する変更がストアフロント体験に与えた影響を確認できます。
手順
デスクトップ
- 管理画面から [オンラインストア] > [テーマ] の順に移動します。
- 画面上部のバナーで、読み込みスピード、インタラクティブ性、視覚的安定性のいずれかをクリックします。
iPhone
- 管理画面で [...] ボタンをタップしてから、[オンラインストア] をタップします。
- [すべてのテーマを管理する] をタップします。
- 画面上部のバナーで、読み込みスピード、インタラクティブ性、視覚的安定性のいずれかをタップします。
Android
- 管理画面で [...] ボタンをタップしてから、[オンラインストア] をタップします。
- [すべてのテーマを管理する] をタップします。
- 画面上部のバナーで、読み込みスピード、インタラクティブ性、視覚的安定性のいずれかをタップします。
ウェブパフォーマンスの指標
ウェブパフォーマンスのダッシュボードでは、過去28日間の実際のユーザーデータに基づいて、オンラインストアのパフォーマンスに関するインサイトを得ることができます。3指標で構成されるCore Web Vitalsに関してストアが評価され、「良好」「普通」、または「不良」によって、各指標がランク付けされます。このランク付けは、ユーザーエクスペリエンスの上位75%を反映しています。
ページ上部のドロップダウンメニューを使用して、さまざまなデバイスのデータを表示できます。表示をカスタマイズするには、「モバイル」「デスクトップ」、または「すべて (デフォルトのオプション)」から選択します。
指標の計算方法の影響で、オンラインストアを変更してもすぐに指標に反映されない場合があります。ストアが新規ストアの場合、またはパスワードで保護されている場合、指標が設定されていない可能性があります。
読み込み速度
最大コンテンツの描画 (LCP) は、画面上の最大要素が訪問者に表示される速度に基づいて、読み込み速度を測定したものです。
以下は、LCPの測定に使用されるランク付けです。
ランキング | ターゲット指標 | 説明 |
---|---|---|
良い | 2500ms以下 | ほとんどのユーザーは、ページの読み込み速度が速いと感じます。 |
普通 | 2500msを上回り4000msを下回る | 一部のユーザーは、ページの読み込み速度が速いと感じます。ただし、改善の余地があります。 |
不良 | 4000ms以上 | ほとんどのユーザーは、ページの読み込み速度が遅いと感じます。改善が必要です。 |
インタラクティブ性
Interaction to Next Paint (INP) では、リンクやボタンのクリックなどのユーザーインタラクションの後に、ブラウザが次のフレームを描画する、あるいは画面の変化を表示するまでの時間を測定します。
以下は、INPのランク付けの表です。
ランキング | ターゲット指標 | 説明 |
---|---|---|
良い | 200ミリ秒以下 | ほとんどのユーザーは、ページの応答性が高いと感じます。 |
普通 | 200ミリ秒を上回り500ミリ秒以下 | 一部のユーザーは、ページの応答性が高いと感じます。ただし、改善の余地があります。 |
不良 | 500ミリ秒を上回る | ほとんどのユーザーは、ページの応答性が低いと感じ、不満を抱く可能性があります。改善が必要です。 |
視覚的安定性
累積レイアウトシフト (CLS) は、読み込み中にコンテンツの予期しないシフトがどれほど発生するかに基づいて、視覚的安定性を測定したものです。
以下は、CLSの測定に使用されるランク付けです。
ランキング | ターゲット指標 | 説明 |
---|---|---|
良い | 0.1以下 | ほとんどのユーザーは、ページの読み込み時にレイアウトが安定していると感じます。 |
普通 | 0.1を上回り0.25を下回る | 一部のユーザーは、ページの読み込み時にレイアウトが安定していると感じます。ただし、改善の余地があります。 |
不良 | 0.25以上 | ほとんどのユーザーは、ページの読み込み時にレイアウトが安定していないと感じ、不満を抱く可能性があります。改善が必要です。 |
時間の経過によるウェブパフォーマンスの変化
ウェブパフォーマンスのダッシュボードから、3つのCore Web Vitalsのサイトに関する時間の経過によるウェブパフォーマンスの変化を表示することができます。
折れ線グラフには、アプリのインストール、テーマの更新、新しいコードなどに関してオンラインストアに加えた変更が、Core Web Vitalsそれぞれに対して与えた影響が表示されます。時間範囲、日付のグループ化、デバイスタイプなど、さまざまな絞り込みを調整して、サイトのトラフィックを最も反映するデータを確認できます。
以下の絞り込みを利用できます。
- デバイスタイプ:モバイル、デスクトップ、両方 (デフォルト)
- 日付範囲:過去30日間 (デフォルト)、過去60日間、過去90日間
- 時間枠のグループ化:1日ごと、1週間ごと (デフォルト)、1か月ごと
サイトのトラフィックが少ない場合、結果が大きく変動する場合があります。大きな変動に気づいた場合は、絞り込みを「1週間ごと」または「1か月ごと」に切り替えることを検討してください。
棒グラフには、各パフォーマンスカテゴリー (「良好」、「普通」、「不良」) に分類されるページセッション数が表示されます。お客様のデバイス、ネットワーク、ロケーションなど、コントロールできない要因があることに注意してください。世界中のお客様は、さまざまなデバイスやインターネット接続を使用してストアにアクセスします。これらの要因によって、ストアの読み込み速度が速くなったり遅くなったりする可能性があります。全体的な指標が「良好」である限り、「普通」または「不良」のカテゴリーに分類されるお客様についてあまり心配する必要はありません。
よくある質問
- ShopifyでGoogle Lighthouseの速度スコアが使用されなくなったのはなぜですか?
- まだスコアを確認できないのはなぜですか?
- トラフィックを獲得しているのに、Core Web Vitalsのスコアを確認できないのはなぜですか?
- 一部の指標のスコアしか確認できないのはなぜですか?
- スコアの一部が変更されたのはなぜですか?
- どうすればスコアやランキングを改善できますか?
- ウェブパフォーマンスのダッシュボードに表示されたスコアが、他のツールで表示されるスコアと異なっているのはなぜですか?
- 1次入力遅延 (FID) はどうなるか?
ShopifyでGoogle Lighthouseの速度スコアが使用されなくなったのはなぜですか?
Google Lighthouseでは、速度スコアの測定にシミュレーション環境が使用されます。これは、スコアを簡易的に確認するには良い方法ですが、実際のユーザーエクスペリエンスを反映していません。GoogleのSEOランキングでは現在、Core Web Vitalsが優先されています。詳しくはGoogleでご確認ください。
まだスコアを確認できないのはなぜですか?
Core Web Vitalsのスコアをまだ確認できない理由には、以下のようなものがあります。
- ストアがパスワードで保護されている:オンラインストアがパスワードで保護されている場合、Core Web Vitalsの生成に必要な実際のユーザーのトラフィックを獲得できません。ユーザーがサイトにアクセスできるよう、パスワードページを削除する必要があります。
- まだトラフィックを獲得していない:実際のユーザーの指標を生成するために必要なオンラインストアのページビューが1件もない可能性があります。まだトラフィックを獲得していない場合は、PageSpeed Insightsなどの合成データを使用して無料のパフォーマンス分析を実行できます。
トラフィックを獲得しているのに、Core Web Vitalsのスコアを確認できないのはなぜですか?
Core Web VitalsはGoogleの商品で、現在はChromiumベースのブラウザでのみ利用可能です。SafariやSafari iOSなどの最新のブラウザも、同様の技術によって構築されています。そのため、Core Web Vitalsはウェブサイト上でのユーザーエクスペリエンスを依然として正確に表していると言えます。
一部の指標のスコアしか確認できないのはなぜですか?
各指標は、パフォーマンスとユーザーのインタラクションにおけるさまざまな側面を測定したものです。たとえば、「最大コンテンツの描画 (LCP)」はページの読み込み速度を測定したものですが、「初回入力遅延 (FID)」はボタンやリンクに関するインタラクションを測定したものです。ボタンやリンクに関するインタラクションがない場合、FID指標のスコアが検出されない可能性があります。
スコアの一部が変更されたのはなぜですか?
トラフィック量やオンラインストアに加えられた変更により、スコアが変動する可能性があります。トラフィックが少ないために大きな変動が発生している場合は、絞り込みを「1週間ごと」または「1か月ごと」に切り替えてみてください。
オンラインストアに変更を加えると、スコアが変動することがあります。たとえば、新しい商品をいくつかインポートしたり、新しいコレクションをいくつか作成したり、テーマを変更したり、新しいアプリを導入したりした場合です。オンラインストアのパフォーマンスに影響を与える要因について、詳しくはこちらをご覧ください。
どうすればスコアやランキングを改善できますか?
オンラインストアのパフォーマンスを向上させる方法について、詳しくは「オンラインストアのパフォーマンスを向上」をご覧ください。
ウェブパフォーマンスのダッシュボードに表示されたスコアが、他のツールで表示されるスコアと異なっているのはなぜですか?
ウェブパフォーマンスのダッシュボードのスコアは、以下の要因により他のツールで表示されるスコアと異なる場合があります。
- ウェブパフォーマンスのダッシュボードのデータはUTC標準時間に基づいており、他のプラットフォームのタイムゾーンとは異なる場合があります。
- ウェブパフォーマンスのダッシュボードでは、すべてのChromiumブラウザ (Chrome、Opera、Edge、Samsung Internet) およびFirefoxから幅広いデータセットを収集しているため、データの収集方法が他のツールと異なっています。一方で、GoogleのPageSpeed Insightsなどのツールでは、オプトインされたChromeブラウザ用のCrUXレポートが使用されています。CrUXデータについて、詳しくはこちらをご覧ください。
1次入力遅延 (FID) はどうなるか?
2023年、Googleの発表で、Core Web Vitalsにおいて、Interaction to Next Paint (INP) が1次入力遅延 (FID) に代わって使用されることが明らかになりました。FIDでは、最初のユーザーインタラクションのみを測定します。INPでは、より多くのインタラクションを測定するので、インタラクティブ性の遅延に関するユーザーエクスペリエンスがより正確に反映されます。詳しくは新しいCore Web VitalとしてのINPの告知をご覧ください。