EU加盟国の税金に関する参照資料
欧州連合加盟国とイギリスでは、付加価値税 (VAT) が徴収されます。EU加盟国のVATは配送先を基準として計算されます。その結果、お客様の所在地に基づく税金が徴収されることになります。この税金の最低額は15%ですが、各加盟国では独自の税率が設定されています。
VATを徴収するには、VAT登録番号 (または付加価値税登録番号 (VATIN) とも呼ばれる) が必要です。加盟国の税務当局に登録後、当局から付与されます。
2021年7月1日以降、国ごとに定められた遠隔地向けの販売限度額は適用されません。かわって、10,000ユーロの単一遠隔販売限度額がEU全体で適用されます。
- 自国内の顧客には、国内のVAT税率で課税されます。
- 自国外のEU加盟国の顧客への課税は、登録限度額を超えているかどうかによって決定されます。
- 他のEU加盟国への売上の合計が10,000ユーロ未満の場合、他のEU諸国で自国のVAT税率でVATを徴収し、自国の政府にVATを納付することができます。EU域内におけるすべての売上に対して自国のVAT税率でVATを徴収する場合、管轄の税務当局にマイクロビジネスの免税を申請する必要がある可能性があります。申請する必要があるかどうか不明な場合は、管轄の税務当局または現地の税理士にご相談ください。
- 他のEU加盟国への売上合計が10,000ユーロ以上の場合、他のEU諸国におけるすべての販売に対してお客様の現地のVAT税率を適用し、VATを徴収します。
ワンストップショップ (OSS) は2021年7月1日より新たに導入されます。OSS制度では、マーチャントは加盟国ごとに個別に登録せずに、EU全加盟国での売上に対するVATを徴収し、納付することができます。
EU加盟国とイギリスの税金に関する参照資料
欧州
加盟国 | 税務当局 |
---|---|
オーストリア | オーストリア共和国連邦財務省 |
ベルギー | 連邦財務省 |
ブルガリア | ブルガリア共和国国家歳入庁 |
クロアチア | クロアチア共和国財務省税務管理局 |
キプロス | キプロス税務局 |
チェコ共和国 | チェコ共和国財務省 |
デンマーク | デンマーク税務局 |
エストニア | エストニア共和国税および関税委員会 |
フィンランド | フィンランド税務管理局 |
フランス | フランス経済・財務省 |
ドイツ | ドイツ連邦税務庁 |
ギリシャ | 独立財政機関 |
ハンガリー | 国家税・関税局 |
アイルランド | アイルランドの税と税関 |
イタリア | イタリア経済・財務省 |
ラトビア | ラトビア国家歳入庁 |
リトアニア | リトアニア共和国財務省国税査察部 |
ルクセンブルク | ルクセンブルク内国歳入庁 |
マルタ | 歳入委員会 |
オランダ | 国税・関税執行局 |
ノルウェー | ノルウェー税務管理局 |
ポーランド | 税務・関税インフォメーション局 |
ポルトガル | ポルトガル税務・税関局 |
ルーマニア | ルーマニア税管理庁 |
スロバキア | スロバキア共和国財務局 |
スロベニア | スロベニア共和国財務局 |
スペイン | スペインの税務局 |
スウェーデン | スウェーデン国税庁 |
イギリス
国 | 税務当局 |
---|---|
イギリス | 歳入税関庁 |
ワンストップショップ制度
2021年7月1日より、ワンストップショップ制度が導入され、マーチャントのEU加盟国での販売に対するVATの徴収と納付が簡素化されます。
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連合OSSとも呼ばれるワンストップショップ (OSS) 制度は、EU加盟国内のマーチャントが他のEU加盟国向けに販売を行う際、配送先国の要件に応じてVATを徴収、納付しなくてはならない場合に適用されます。2021年7月1日以降、他のEU加盟国への年間売上の合計が10,000ユーロ以上の場合、OSS制度を利用できます。
- 他のEU加盟国への年間売上高の合計が10,000ユーロ未満の場合、マイクロビジネス対象の免税を利用して自国のVAT税率でVATを徴収するか、OSSに登録してお客様の所在地に基づいてVATを徴収することができます。
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非連合OSSとも呼ばれる輸入ワンストップショップ (IOSS) 制度は、EU加盟国内のお客様に販売を行うEU域外のマーチャント向けです。2021年7月1日以降、EU域外に所在するマーチャントがEU加盟国内のお客様に商品を販売する場合、商品配達時にお客様に税金が徴収されるのを避けるために、IOSS制度を利用できます。
- IOSSを利用すれば、150ユーロ以下の注文に対してチェックアウト時にVATを徴収することができるので、お客様は配達時に税金を支払う必要がありません。
たとえば、スウェーデンとアメリカにロケーションがあるとします。スウェーデンからEU加盟国のお客様に配送される注文にはOSS制度を、アメリカからEU加盟国のお客様に配送される注文にはIOSS制度を使用します。
管理画面で、OSS登録を入力します。OSSとIOSSを同時に使用することはサポートされていません。そのため、IOSSを使用してEU加盟国外からEU加盟国内のお客様に配送された注文のVATを徴収するオプションは無効になります。
OSSでVATを徴収、申告、納付する
手順:
- 自国の税務当局でOSSに登録します。
- 税務登録を更新します。
- EU加盟国ごとにVAT登録番号を取得するのではなく、OSSに販売を報告しVATを納付します。
OSSへの登録は任意です。OSSに登録しない場合は、引き続きEU加盟国ごとにVAT登録してください。
OSSについて詳しくはec.europa.euをご覧ください。
IOSSでVATを徴収、申告、納付する
現在、EU域外に所在するストアがEU加盟国内のお客様に商品を販売する場合、22ユーロ以下の注文ではVATを徴収する必要はありません。2021年7月1日以降、150ユーロ以下の注文にはVATが適用され、150ユーロを超える注文には輸入VATと関税が適用されます。
注文金額に関係なくVATを徴収する義務はありませんが、IOSSを利用すれば、チェックアウト時に150ユーロ以下の注文に対してVATを徴収することができるので、お客様は商品配達時に税金を支払う必要がなくなります。
手順:
- EU加盟国の税務当局でIOSSに登録します。
- 配送先国に応じてVATを徴収します。
- 販売を報告し、IOSSにVATを納付します。
IOSSへの登録は任意ですが、チェックアウトプロセス中にVATを請求する場合は登録が必要です。チェックアウト時にこれらの税金を請求しない場合、配達時にお客様から配送業者へ税金が支払われます。
IOSSについて詳しくはec.europa.euをご覧ください。
欧州連合およびイギリスにおける登録の処理
Shopifyの税務登録は、VAT法をより適切に反映するため2024年9月23日に更新されます。Shopifyは、不準拠や罰金を防止するため、該当する登録の対象国でのみVATを回収します。
この更新は以下に反映されます。
登録タイプ: | 挙動と対象: | 例 |
---|---|---|
現地 | 現地国への注文に対してVATを徴収します (他国には徴収しない)。OSSを使用している場合でも、現地国でVATを徴収するには、現地での登録が必要です。 | ドイツでの登録は、ドイツ国内での注文とドイツへの注文が対象になりますが、他国への注文は対象外になります。 |
イギリスでの現地登録 | EU加盟国から北アイルランドに配送する注文については、イギリスのVATを徴収します。 | イギリスでの登録は、ドイツから北アイルランドに配送する注文を対象とします。 |
ワンストップショップ (OSS) | すべての越境注文にかかるVATのみを徴収します (現地注文では徴収しない)。 | ドイツでのOSS登録は、ドイツから他のEU加盟国と北アイルランドへの注文を対象としますが、ドイツ国内またはその他の国での注文は対象外になります。 |
マイクロビジネス対象の免税 | マイクロビジネス登録国のVAT税率で、すべての越境注文と現地注文に対してVATを徴収します (マイクロビジネス登録国からの、またはマイクロビジネス登録国への配送ではない注文を除く)。 マイクロビジネス対象の免税がある場合は、現地登録も追加することができます。 |
ドイツのマイクロビジネス登録は、ドイツへの注文の配送とドイツから他のEU加盟国への注文の配送が対象になります。これらの注文ではドイツのVATを徴収します。 マイクロビジネスの登録では、ドイツ以外のロケーションから配送された注文にドイツのVATが適用されません。そのため、これらの国での現地登録が必要です。 |
以下は、この更新のタイムラインです。
- 2024年9月16日:以前の表で欠落していた国にVAT登録が追加されます。
- 2024年9月23日:販売を行ったことがあっても必要な登録が欠けているEU加盟国に、空欄状態のVAT登録番号でVAT登録が追加されます。
これらの調整により、規制に従ってVATを徴収可能になります。
一部またはすべてのVAT登録を自分で更新する場合は、この日付より前に更新することも可能です。
手順:
管理画面から、[設定] > [税金と関税] に移動します。
[地域設定] セクションで [欧州連合] を選択します。
[EU域内からEUへの配送] セクションの [VATを徴収] をクリックし、新しい登録を追加するか既存の登録を編集します。